歪みの中の肖像
前回記事で訪れた釜ヶ崎では、ある一人のおっちゃんのポートレートも撮影した。
写真は、1時間ほど話し込んだあとで撮らせてもらった一枚。
僕は、釜ヶ崎について知りたかったこと、おっちゃんのことについて聞いたりした。
おっちゃんは御年77歳で、釜ヶ崎に住んで40年になるという。
出身地は三重県の二見とも教えてくれた。二見といえば、夫婦岩があり旅館街としても有名な観光地だ。
僕は仕事で年に何度か訪れる場所だと伝えると、おっちゃんは喜んでいた。
その様子は、もうずいぶんと地元の話なんて口にしていなかったという感じだった。
ここにはギャンブルで自ら堕落したものもいれば、リストラなど社会の歪みに飲み込まれたものもいるようだ。
時代が移りゆく中、歪みはその大きさを増し続けている。