TEST DRIVE
初めて自作PCを組んでからもう20年が経つ。
この間、テクノロジーやソフトウェアの要求するスペックの向上に伴って数台の自作PCを組んできた。
今では組み立てに関する書籍やインターネット上で容易に情報を得ることができるけど、初めて自作をした当時は雑誌からしか情報を得られるものはなく、雑誌のところどころで得た知識を元に組み立てた。
当時、高校生だった僕は少しでもコストを抑えるため、各パーツごとに最安のショップを歩き回った。
あの頃の日本橋といえばパソコンのパーツショップや大手電機店が多く店舗を構えていた。
それがアニメ系のショップが多くみられ、パーツショップがめっきり減ってしまった今の日本橋には、自分にとって寂しさを感じられずにはいられない。
テクノロジーや処理能力は日進月歩。
でも自作の概念や方法は大きく変わっていない。
むしろ、様々なパーツが出てきたり、仕様が整えられてきているおかげで、より個性のある自作PCが作られるようになった。
たまに自作したくなる衝動に駆られ、押し入れに余って眠っていたパーツでPCを2台組んでみた。
押し入れを作業場に夜な夜なコツコツと。
組んだ一台は、メインPCに新しく組み込むパーツやソフトを事前に動かしてテストするためのサブPCとしての位置づけ。なのでOSには慣れ親しんだWindows10。
もう一台は、安く手に入れたジャンクパーツのみで作ったもので、OSには新しい試みとしてMacOSXを。この一台は、前記事でHackintoshとして触れている。
あくまでパーツの動作チェックなどが目的のため、ケースへの収納はせずに裸のままで設置することを想定していた。
コストを極力抑えた結果、百均で手に入るワイヤーラック、MDF合板、結束バンドを使用して製作を開始。
マザーボードとドライブを表面に、電源とSSDを裏面へ配置したところ、偶然にも絶妙なバランスで自立。
自立したままディスプレイするのもかっこいいかなと思ったけど、場所を取るのでデスク下へS字フックで吊るして設置した。
場所を取らないのは良いけど、デスク下なのでそれはそれで闇に埋もれてしまう、、、
そこで、LEDによる光モノパーツを組み込んでみた。
赤LEDがWindowsの稼働するPC、青LEDがMacOSXの稼働するPCで、それぞれにコードネームを与え、Windowsはニキータ(CORD RED / NIKITA)、MacOSXはレオン(CORD BLUE / LEON)。
ニキータは内に秘めたる”復讐”から赤を、レオンは内に秘めたる”優しさ”から青をイメージとしている。
それぞれの名は、自身が好きな映画監督のリュック・ベッソンの作品(主人公)より拝借した。
そして、これらの組み込まれた統括的なシステムを、"TEST DRIVE(試乗車)"と名付けた。
「モノづくりは楽しい。」
TEST DRIVEは、その根底が生んだ20年目の表現である。